転がるようです

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――――― カチリカチリ。 薬品の香り漂う部屋にケータイのボタンを押し込む音が響く。 相も変わらず、ギコは保健室の一角を陣取りベッドの上に寝転がっていた。 眠さとダルさとその他色々。 それら全てが混ざり合い、どうしようもない程に今日は最悪なコンディションである。 ふと液晶の右上を見てみた。 思わず溜め息が漏れる。 体を起こし、心の中でカウントダウンを開始する。 3…2…1。 ――チャイムが鳴る。 校舎にざわめきが広がった。 戸が勢いよく引かれる。 こんにちはと明るすぎる声と共にカーテンが開かれた。 (*゚ー゚)「元気!?」 (,,゚Д゚)「あぁ…まぁ…」 いつもと変わらず退屈である。 それはさておき、彼女の格好は少しおかしく思えた。 先週は短パンだったが、長ズボンへと変わっている。 上は長袖、肌が見えるのは手と頭ぐらいしかない。
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