転がるようです

7/20

19人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
――――― 部屋の隅っこ。 ベッドに座り踞る。 どうしてこうなってしまったのだろう。 何がいけないか。 それは自分がいけないのか。 この想いも届かないのか…。 頭に両の手を乗せ掻き回す。 脳内を電波の如く騒ぎ立てる感情を、払い除けるように。 胸の奥がシクリと痛む。 「問題ない…」 何度も呟いて、それ以外の言葉は飲み込んだ。 口に出してはダメだ。 何かが壊れてしまう。 そんな気がしたから。 机の上に置かれた大きめの絆創膏を手繰り寄せ、上腕に出来た痣を隠すように張り付けた。 そういえば明日は体育がある日だ。 運動神経が欠けている自分は満足に前回りも出来ない。 失敗ばかり。 何処がどうダメかなんていう間違い探し等しても、意味はないだろう。 憂鬱。 しかし、ほんの少し楽しみな日でもある。 とにかく明日も回り続けよう。 まだまだ先は見えないのだから…。 ベッドに身を任せ、目を瞑る。 静かに息を止めてみる。 苦しくなり呼吸を再開すると、なんとなく安心した…。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加