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「海くーん、見てーお花いっぱいさいてるよ!キレー」
「"ひがんばな"っていうんだよね、このお花?ね、海く―――…」
ドンッ!!!
「紅子ちゃんなんて大嫌いだ!!!
海は紅子を坂から突き落とした
「きゃあぁぁああぁ」ドンッ
「いったぁ…」
「バーカ、なに寝ぼけてんだよ、紅子」
「おはよー空、笑わないでよ!」
「なんの夢見たんだ?」
「ん――――…、ちょっとね昔の夢を…わっ!!」
がばっ
空は紅子に抱き着いた
「ちょっと空、夢の話は?てゆーか学校行かないと…」
ちゅっ
「もー…」
(学校チコクかな…)
私喜多川紅子と瀬野空は
家が隣同士の幼なじみで
付き合って4年目の恋人同士
現在高校1年、秋――
「紅子ーっ、これ見て!!」
「かわいーどうしたの?」
「彼氏にもらったの!昨日の誕生日にずっと一緒だよって言いながら」
「あーはいはいよかったね」
今のは私の友達、春子
「えーもっと聞いてよ!!」
「ムカつくからやだ」
「てゆーか本当いいなぁ」
「紅子は空くんに貰ったことないの?」
「うん」
「へー意外、でもさ紅子もうすぐ誕生日でしょ?」
「へへへへへへ」小さい頃から当たり前に一緒にいるし
いまさらずっと一緒だよなんて言わないかなって思うけど
高校入ってから友達とかみんな
中学の時より特別な誕生日
過ごしてるしやっぱり期待する
16歳の誕生日まであと三日!!
「どうした?」
「ん?なんでもないよ」
「お前の何でもないは何かあるだろ」
「………あ、紅子の考えてることわかった」
「えー?」
「ホントだって」
「じゃあ何?」
「んー、今年の誕生日は期待しろよってコト、当たり?笑」
「うそ、うそなんで!?」
「どーだすごいか?」
「すごいすごい大好き空!」
「何がすごいか知らないが授業中だって忘れてたないか?」
「ごめん先生、忘れてたないけどあと5分だけ見逃してっ」
「アホかー!!!」
15歳の時の私は大好きな空が
いて、友達がいて毎日が幸せで
それが私の全てだった…。
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