食べ物の恨みは大胆不敵

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  「今、なんて?」  まだ、修復可能だった。  撤回して謝罪さえすれば、温和な藤田先輩なら水に流してくれたはずだ。 「だから、味噌ラーメンは味噌汁に麺をぶち込むようなもんだろ。わざわざ好んで食うものではないって」  追い打ちにより修復不可能になった。  手遅れだった。皆口さんがフォローしようとしたが 「塩ラーメンだって、海水に麺を浸したのと大して変わらない。海に麺を持って行って、その場で海水を汲めばいい」 と、藤田先輩が口早に言い返してしまう。 「あ?塩ラーメンが海水で出来てるとでも言いたいのかよ」 「そんなこと、言ってない。会長の味噌ラーメンへの評価は、チョコミントのアイスが歯磨き粉の味がするって、言っているようなもの……味覚が脆弱」 「はっ、お前の塩ラーメンの評価だって笑っちまうよ。まるで蟹とカニカマの違いが分からないガキの意見だ」  麓宮高校生徒会は、秋に行われる生徒会総選挙での立候補と推薦によって決まる。文化祭での抱きたい抱かれたいランキングも多少は評価に絡んでくるものの、それがイコール当選にはならない。お飾りみたいなものだ。生徒達の上に立てるものだけが真剣勝負で勝ち上がって、晴れて生徒会入りとなる。  はずなのだが、なんだこの喧嘩は。  小学生か!!
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