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「へっ。あー、はい、そうです。俺が時田ですよ、それでいいっす。それで会長サンは満足なんでしょ?はいはい、時田が見つかりましたよー!はい、拍手!!」
「俺を悪者に仕立て上げるな!どうして、反抗するんだ、素直に謝れば済むものを!」
「始業式に雑談してただけで目くじら立ててカッカしてたら、悪者にしたくもなりますよ!」
チワワ達が俺を罵倒する。
知らない。知ィーらない!
会長の悪口言っただけじゃん。男の子同士の喧嘩を邪魔しないでよね!
誰かが肩を叩く。
「俺に触るな!右腕に宿りしタナトスがお前を殺し、んッ」
甘い。淡い。
甘い。
会計の顔が近い。
目の前だ。
甘い水音。
一瞬、体がはねる。
虚脱感。
ぐっと抱き締められて、口の中にバニラの味が広がる。会計の、舌が、舌がァアアアッー!
「んっ……」
これはキスだ!
深くてねっとりしてる方!
悔しいけど感じちゃう!
になる前に、渾身の力で引き剥がした。
周りの視線が刺さる。
「味見しちゃったー。食べたら怒られそうだったから、ちゃんと時田クンに戻したよ?」
ああ、会計はデザートが食べたくてついうっかり口に含んだが、俺に怒られるのが嫌で、口移しで俺に返した、と。
あ……頭おかしいんじゃないの!?
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