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「やっと見つけた…本物のピュアストーンだ!これだけの純度のものは見たことがないな」
暗闇の中で男は喜びの声をあげた。
男は凍えるような寒さと、押し潰されるような圧迫感に、全く動じていない。
身体中泥まみれになり、恐らく精悍であった顔は、無精髭で覆われていて不潔な感じする。
男は方膝をついて、左手に持った光輝く石をじっと見つめている。
「さあて、ここからどうするか…」
男はゆっくりと立ち上がると、恐る恐る背後を確認した。
男の後ろには、青い光が対になって暗闇を照らしていた。
男はこの場で見たくはないものを見てしまったようだ。
男の額から冷や汗がにじみ出ている。
男は見てしまったのだ。青い光に照らされてうっすらと浮かび上がる醜い顔を。
「うおおおぉぉ!」
男は振り返ると同時に、右手で握り締めている剣を上段から降り下ろした。
轟音と共に剣の先から真空波が飛び出して、手前の化け物を真っ二つに切り裂いた。
「ぐぎゃあ…!」
化け物は醜い叫び声をあげながら、その場に崩れ落ちた。辺りにはその化け物の体液が飛び散る。
「ククク、まさかここまでたどり着く者がいるとは…正直想像していませんでした…」
化け物達はそれぞれ奇声をあげている中、その後ろから凍てつくような冷たい声がした。
「人語?グランドクラスか!」
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