隙間を見つける姿勢

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「おう、染谷か?どうや、二軍の調子は?」 なかなか困ったタイミングで、電話が来てしまったものだ。出ようか出まいかと悩んだものの、本間監督は勘が鋭く、居留守を使おうものなら、゛こないだのはどないワケなんか、説明してもらおうか?゛となる。 「監督の期待に添えられる内容では・・・ないですかね。」 思った率直の意見を述べる。 「そうか。とりあえず、明日の昇格メンバーは6人を目処に考えてくれ。」 「6人ですか?結構多いですね。」 「ちょっと、一軍キャンプを雰囲気が停滞していてな。勢いのある新顔が必要なんや。出来るだけ、勢いのあるヤツか、目立てるヤツをあげてくれ。もちろん、基礎能力と身体能力の分析付きでな。」 目立つ力か。能力的には佐渡の長打力や山口の高速チェンジアップとかだな。ほかにも、寺山が声だしなり、目立つところはあるし、多分本間監督の好みだろう。だが、まだ寺山には一軍は早いか。 「わかりました。それを基準に選考します。」 「あと、勝負強そうなヤツも送ってくれ。昇格メンバーが来たら、一軍の紅白戦もボチボチ始める。そこで既存メンバーに刺激を与えたいんでな。」 勝負強いか。難題ではあるが、どんな場面でも結果を残すポテンシャルがありそうなのもいるな。
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