隙間を見つける姿勢

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「ちゅうわけで、昇格おめでとさん。君らは開幕一軍に向けてぐっと近づいたっちゅうわけや。一軍メンバーを蹴落とすつもりで、練習、試合に挑んでくれ。」 昨晩、染谷監督、二軍監督に言い渡された。 東雲、明日から一軍キャンプに参加しろ。お前の実力を本間監督に見せてこい。 二軍キャンプでは確かな手応えを感じていたし、初の昇格もありえるんじゃとか考えていたものの、実際そうなると実感があまり湧かない。高校時代、初めてスカウトの目の前で練習した時や、入学したての頃を思い出す。 視界に入るものが、頭に残らず、地に足が着かない感覚だ。 今は監督室に昇格メンバーが集められている。人数は6人で、投手の北山さん、山口さん、内野手の芝さん、片桐さん、外野手の佐渡さん、あとは俺だ。 「じゃあ、早速だが君らもそこのメニュー表に振り分けられてる通り、自分の班でメニューを順々にこなしてってくれ。」
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