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「なるほど。私は選手時代に本間監督がおっしゃられていた、現代野球における4つの柱、エース、正捕手、四番、守護神がしっかりしているチームこそ強いという話が印象に残っているのですが、そういう面で見ていかがでしょうか?」
「お前さんはよくまあ覚えているな。」
ほぉ、と思わず感心の声が漏れてしまう。確かにそれはワシの持論の一つだ。現代野球で勝ち抜くためのキーポイントがその4つであり、それを基盤にチームを固めていくのが、勝てるチームの作り方だと、ワシは考えている。
「エースは磐田やな。だが、谷内がな、今年のキャンプの初日に開幕投手を取ると宣言してな。谷内が取って代わるかもわからん。」
ワシは笑顔を見せながら、そのように答えた。
今年のキャンプの初日に、一軍メンバーにはグラウンドで、今年の目標を口にしてもうことにした。その中で谷内は、開幕投手本命と言われる磐田を前に、それを奪ってみせると宣言をした。今時珍しい、剥き出しにしたライバル心だ。この覚悟は出来るだけ汲んでやりたいとワシは思っていた。もちろん、谷内が結果を出せれば、という条件はあるのだが。
「確か、磐田投手を前に宣言したんですよね?」
よく調べてあるのな。
ワシが言おうとしたことや、言いたいことを直ぐに赤西は先取ってしまい、少し不服に思う。顔には出さんが。
「その意気込みは評価してやりたいしな。この2人は盤石やな。あとはこの2人に続く投手が欲しいんやけどな。」
ここはなかなか目星がついていないのだ。色んな投手がいるものの、まだワシや投手コーチの斎藤を唸らせるものは出てきていない。
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