いつもの毎日

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バシッ ダンッ 「やあぁっ!」 ある夏の日。 月奈はいつもの様に子供達に指導していた。 「裕也…いつも言ってるけど隙が在りすぎてる。」 「はいっ!」 「陸斗は踏み込みが甘いよ」 「はい…」 ここは住宅地のど真ん中にある道場。 ここの道場主、結城月奈 ユウキ ツキナ。 曾祖父の代から続くこの道場を一人で護っている。 「じゃあ今日の稽古は終了!」 「「ありがとうございましたっ!」」 「はぁ…」 ただ今の時刻、午後6時。 「ご飯作らなきゃね。」 両親は幼い頃に亡くなっているし、ずっと育ててくれていた祖父と祖母も去年他界した。 それからはずっと一人で暮らしてきた。 小さい頃から剣術を祖父に習っていたから道場を継いだ。 月奈が稽古着から普段着に着替えている時にケータイが鳴った。 親友の琳華からだった。 「もしもーし?どしたの?」 「月奈さぁ今日空いてる?ウチん家にご飯食べに来ん?」 「えー?良いのっ?!」 「一人なのよぉ…来てきてっ!」 準備出来たら行く~と言って電話を切った。 「うっしゃぁ♪手間が省けたぜ☆」
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