なんっ…!

9/11

6人が本棚に入れています
本棚に追加
/47ページ
「ほぉ。では、お前はやはり美佳子さん似なんじゃなぁ」 感慨深げにじいさんは言った。 「え?」 似てる?俺が、母さんに? 「初耳、だけど」 「似とる似とる。」 カラカラとじいさんは笑った。 「文幸(ふみゆき)…お前の親父は歴史や地理学にしか興味なかったからのぅ」 「…へぇ」 知らなかった。 「親父の名前、文幸ってんだ?」 初めて知った。マジで。 「なんじゃ、お前知らなかったのか!」 じいさんも流石に驚いたらしい。目を丸くしている。 「まぁ、母さんは『お父さん』としか呼ばねぇし」 「あのバカ息子が」 じいさんは額を手で覆った。 「自分の名前くらいてめえの息子に教えとけ」
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加