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「友生、返事は?」
「…ちっ、ちょっと聞きたいんだけど。」
俺は勇気を振り絞って言った。眉を寄せる母さんの顔が、さっきよりも怖い。
俺は音を立てて唾を飲み込んだ。
「あのさ」
「なに?」
「なんで、いきなりそんな話になったんだよ?」
母さんが笑みを深めて答えた。
「……ねえ友生、去年の今頃、母さん出張で一週間いなかったわよね?」
「……ああ」
あんまり覚えてないけど。
「ところが、やっと終わらせて、疲れて帰ってきたら、カップラーメンの残骸がキッチンにゴロゴロ転がってたのよねえ」
「……あ」
思い出した。
去年の夏休みの初め、母さんが出張でいないとき、俺ゲームばっかして、家事なんて一つもしてなかったんだっけ。
そういえばあのあと、めちゃくちゃ怒られたなぁ。
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