姿無き相棒

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今、この僅かに開いた窓の外、だった。 最初の時は、まだこんなに鮮明に聴こえては来なかった。窓が開いたのも妙なる調べが止んでから。 若い男の人、という事くらいしか彼女には解らないけれど。 「可愛らしいお客様だね、いらっしゃい。」 と言った笑顔が、彼女を包み込んだ見えない何かと一緒だった。
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