-序章-

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    一つ踊りが終わり 老人が"やはり"と呟いた そして私に問いかける 「貴女は今、何のために 踊っているのですか?」 何のために? その問いの意味がわからなかった 「勿論、生きるためよ 金がないと飢え死ぬでしょ?」 その答えを聞いて 再び私に問いかける 「貴女は、何のために 戦っているのですか?」 「何のために?」 何のために戦っている…? なかなか答えは出てこなかった 戦っている事を何故 知ってるのか疑問にも思わず 「……それは、守るためよ」 そう、私は守るために 戦っている 誰かを守るために戦っている… 「そう…ですか……」 老人は俯きながら そう言った 目に涙を浮かべていた、だが その涙を見ることは出来なかった 次の曲だ                      
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