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そこは戦場。怒りや悪意、そして血の入り混じった争いの場。
俺は目の前の奴に剣を向ける。
「くそくそくそ! 何なんだお前は! お前はこいつらとは一切の関係も無いはず! なのに何故!」
そいつは苦し紛れに言葉を紡ぐ。俺が切り付けた腹を抑え、息を荒くしている。
「何故? そんな価値もない質問に答えなきゃ分からないのか、この外道。なら教えてやる。耳をかっぽじってよく聞け」
俺は留めを刺そうと思っていた剣を相手の目の前まで運ぶ。燃え盛る火の中、俺は口を開く。
「目には目を、歯には歯を」
そしてそれからは簡単だった。手首を切り落とし、腹をえぐり、足の自由を奪い、首を打ち、脳天を突き刺す。相手は痛みを感じる間もなく息を引き取る。俺の言葉は届いてはいないだろう。それでも俺は言葉を続ける。己の覚悟と――
「悪には悪を」
罪人に向けて。
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