25人が本棚に入れています
本棚に追加
「君は・・・私を殺すと言うのかね?」
リイサはそれには答えず、無言でイングラムM10の引き金を引いた。
「タタタタタタタタッ・・・」
けたたましい炸裂音と排莢された薬莢が床に落ちる音が響く。
「ぎゃっ!」
「ぐあっ!」
フロント周辺に居たショーン以外の人間は、リイサの銃撃により次々と射殺されていく。
ショーンは余りの恐怖の為か、目と口を見開いたまま彫像の様に固まってしまっている。
リイサは空になったマガジン(弾倉)を交換すると、イングラムの銃口をショーンに向けた。
「怖がる事は何も無い。
あなたの魂は天に召される事になるのだから」
「や・・・止めろ」
死が目の前に迫るショーンの声は恐怖で掠れ、額には夥しい生汗が吹き出している。
「主よ。迷える魂を救い賜え」
リイサは静かに呟くと再び引き金を引く。
「タタタタタタタタッ・・・」
再び暴力的な炸裂音が辺りに響き渡った。
「銃声!
一体何が起こってるというの?」
一階へと辿り着いた麻理亜を迎えたのは、断続的に炸裂する銃声と魂切る悲鳴であった。
麻理亜は壁に身を隠しつつ、銃声が発生した一階フロアを窺う。
すると。
どくどく流れ出す血の海へ倒れ伏すタキシード姿と。
サブマシンガンを手にした、シャンパンゴールドのドレスに身を包んだ、ピンクの髪の女の姿が見えた。
「彼女がさっきの支配人が言ってたショーンの連れ?
だとしたら・・・
そこで死んでるのはショーン?」
ピンクの髪の女を確保し、事の真相を確かめる事に決めた麻理亜は、一気に飛び出すべく呼吸を整える。
「射線上に身を隠す遮蔽物は無い。
となると、サブマシンガンが弾を全部吐き出してしまう秒数。
約2秒程の時間を凌げばいい。
よし・・・行くッ!」
素手でサブマシンガンに相対する自分の動きをイメージし終えると、麻理亜は壁から身を放し、硝煙漂うフロアへと飛び出した。
最初のコメントを投稿しよう!