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「了解。
俺達が目標ポイントまで先行するとしますか」
レビンはアンソニーに答えた後に軽く深呼吸を行った後。
「ポチより。
VMT各機、戦闘ステータスへ移行後、フォーメーションαで目標ポイントへ先行する」
レビンの指示にVMT隊の面々は短く答え、レビンの機体を先頭に逆V字型に隊列を組み始めた。
レビンは機体を動かすと同時に、コクピットパネルに取り付けられている、赤い押しボタンを押した。
するとメインパネルの画面に。
《VMT・Battle System Transition》
という文字が現れると同時に、メインディスプレイにも、各種の戦闘に必要な文字や座標軸の様な物が表示された。
コクピット外では、戦車部の側面に収納されていた巨大なライフルを、左右の腕が掴み上げて両腕にライフルを構えた状態へと変わり、見た目にも戦闘状態に入ったと解る形となった。
「おおーッ」
「すげぇな!」
第一歩兵隊の面々は、脚部は戦車であるものの上半身はSFやアニメを思わせるロボットであり、そのロボットが目の前で巨大なライフルを構える姿に感嘆の声を上げている。
ポイントマン(隊の最前列を進む者)として辺りを警戒しながら進んでいたボブも、キャタピラ駆動音を響かせながら近付いて来るVMT隊を暫し見つめていた。
「ボブ。
斥候は俺達に任せな?
俺達の後ろを進んでくれ」
頭部に犬の耳を思わせる角状のアンテナを装備し、青色とパールホワイトで塗装されたVMTはレビンの機体であり、無線を通さずに機体に据え付けられたスピーカーから聞こえて来る声はレビンの声である。
「了解。
目標ポイント迄、エスコート頼むぜ」
ボブは無線でレビンに告げると、逆V字型の隊列で進んで行くVMT隊の後ろに回った。
「ポチ。
犬の耳に見え無い事も無いが、もうちょっとクールなコードにすれば良かったのに」
ボブは苦笑を浮かべながらも、目標ポイントに着実に近付いている状況に改めて気を引き締めていた。
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