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迎撃ミサイルを発射する秒数が稼げ無い程に、ジャベリンから放たれたミサイルはすぐ目前まで迫っていた。
「迎撃が間に合わ無い・・・
ならよッ!」
レビンはマニュアル操作で、撃ち寄せるミサイルへ、おおよその狙いをつける。
至近距離で敵に不意を衝かれ、ミサイルはすぐそこまで迫っている。
身体中の毛穴が開く様な焦燥感と興奮にも似た感覚が、レビンの身体を支配する。
だが、頭の中は透き通る位にクリアであり、レビンの瞳は照準マーカーと一体化したかの様に、撃ち寄せるミサイルを捉えた。
「いけぇッ・・・!」
レビンは短く叫び、操縦桿の引き金を引いた。
ポチの両腕に構えたレイジ40から吐き出された弾丸は、撃ち寄せるミサイルを薙ぎ払うかの様に、水平方向に弾幕を張る。
「ゴオッ!」
ポチの射撃で破壊された対戦車ミサイルは空中で火球を発生させ、辺りに爆音を響かせた。
その爆発の衝撃は、レビンが座るコクピット内にも伝わっていた。
「グッ・・・」
ポチの頭部のメインカメラも、爆発の衝撃を受けた様子で、メインディスプレイの映像も激しく揺れているが、映像がブラックアウトしていないという事は、メインカメラは生きているという事である。
そしてレビンは、照準をジャベリンが設置されている草地へと合わせる中、再び赤外線誘導装置にロックされ、ジャベリンから3発のミサイルが発射された。
「今度も当たらねぇよ!」
一度不意撃ちのロックオンをされていたので、十分に注意を払っていたレビンは、迎撃ミサイルのスイッチを入れた。
白煙を噴き、ポチの胸部から発射された迎撃ミサイルと、ジャベリンのミサイルは数秒後に激突し、空中に3つの火球を発生させる事となった。
「今度はこっちの番だぜ」
レビンは爆炎に気を取られる事無く草地に向けて引き金を引く。
夥しい弾丸が吐き出されると共に、レイジ40の側面から空薬莢が排莢されて行く。
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