Chapter 02 Battle Fields

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迎撃ミサイルを発射する秒数が稼げ無い程に、ジャベリンから放たれたミサイルはすぐ目前まで迫っていた。 「迎撃が間に合わ無い・・・ ならよッ!」 レビンはマニュアル操作で、撃ち寄せるミサイルへ、おおよその狙いをつける。 至近距離で敵に不意を衝かれ、ミサイルはすぐそこまで迫っている。 身体中の毛穴が開く様な焦燥感と興奮にも似た感覚が、レビンの身体を支配する。 だが、頭の中は透き通る位にクリアであり、レビンの瞳は照準マーカーと一体化したかの様に、撃ち寄せるミサイルを捉えた。 「いけぇッ・・・!」 レビンは短く叫び、操縦桿の引き金を引いた。 ポチの両腕に構えたレイジ40から吐き出された弾丸は、撃ち寄せるミサイルを薙ぎ払うかの様に、水平方向に弾幕を張る。 「ゴオッ!」 ポチの射撃で破壊された対戦車ミサイルは空中で火球を発生させ、辺りに爆音を響かせた。 その爆発の衝撃は、レビンが座るコクピット内にも伝わっていた。 「グッ・・・」 ポチの頭部のメインカメラも、爆発の衝撃を受けた様子で、メインディスプレイの映像も激しく揺れているが、映像がブラックアウトしていないという事は、メインカメラは生きているという事である。 そしてレビンは、照準をジャベリンが設置されている草地へと合わせる中、再び赤外線誘導装置にロックされ、ジャベリンから3発のミサイルが発射された。 「今度も当たらねぇよ!」 一度不意撃ちのロックオンをされていたので、十分に注意を払っていたレビンは、迎撃ミサイルのスイッチを入れた。 白煙を噴き、ポチの胸部から発射された迎撃ミサイルと、ジャベリンのミサイルは数秒後に激突し、空中に3つの火球を発生させる事となった。 「今度はこっちの番だぜ」 レビンは爆炎に気を取られる事無く草地に向けて引き金を引く。 夥しい弾丸が吐き出されると共に、レイジ40の側面から空薬莢が排莢されて行く。
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