Chapter 03 交錯

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ぽつんと後に残されたレビンとミリアは暫し静寂の時に包まれた。 示し合わせたかの様に、二人共に夜空に視線を向けたのは、先日の戦場での体験やボブの何気ない一言のせいなのだろう。 カリフォルニア基地での訓練や演習とは違い、レビンにしろミリアにしろ戦闘中の行動は、それ則ち敵の命を奪う為の物である。 それぞれに課せられた為すべき事を為すまでであり。 初見の敵に対して、個人的な憎しみ等の感情がある訳でも無い。 敵と味方に別れ。 殺らなきゃ殺られる。 そんな超簡単なルールの下で、それぞれが守る物や望む物の為に、生存を賭けて、全知全能を賭けて大いに殺し合う。 「これが戦争なんですね・・・」 ミリアが静かに呟いた。 「ああ・・・ 命なんて儚いもんだな。 こんな環境だと。 つか。大丈夫か?」 淡々と告げるレビンであるが、ミリアを見つめる瞳は優しい色を浮かべている。 「はい。 次の作戦に向けて頑張る気持ちに迷いはありません・・・ でも、やっぱりまだ、色々簡単に割り切れ無くて・・・って感じでしたけど。 モーガン中尉とお話出来て、ちょっとだけ気持ちが楽になりました」 微笑を浮かべ告げたミリアを見たレビンも、少しだけ安心したかの様に微笑を浮かべ静かに頷いた。 「モーガン中尉って意外と優しいんですね」 ミリアが不意に告げた言葉に、レビンは今度は苦笑を浮かべている。 「意外って。 俺の半分は優しさで出来てるんだぜ? つか・・・俺以上にミリアに優しくしてくれる野郎が二匹居るだろ?」 ミリアに好意を持つ、アンソニーとトムの事を思い浮かべつつミリアへニヤリと笑いかけた。 「え?」 ミリアは何の事か解らない様な表情を浮かべている。 「アンソニーとトムに告白されただろ? 作戦で色々忙しくて、その後の事は詳しく聞いて無いけどさ」 「ああ~。 あの件は、私なんかに嬉しい言葉を貰って。 お二人とはお友達になりましたよ~」 ミリアが告げた《お友達》と言う言葉は態のいい断り言葉では無くて、純情そうな表情を浮かべるミリアには、本当にアンソニーとトムはお友達と言う事なのだろう。
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