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反射的に体が言われたとおりに動いた。
振り上げた腕は頭を踏みつける女子のスカートをめくり上げ、怯んだ女子は足を退かせてスカートをおさえた。
アタシはその隙をついて逃げる。
階段や廊下をめちゃくちゃに走り回り、アタシは初めて体ごと奴らから逃げることができた。
逃げるなんてできないと思っていた。
アタシは周りに誰もいないことを確認し、一人で大笑いした。
笑いすぎておなか痛くなって、涙もでてきたけど。
アタシは笑い続けた。
『随分とご機嫌さんだねぇ』
びくっと体がはねる、見つかった?!
恐る恐る振り返る。
そこにいたのは赤紫の短髪がよく似合う男子だった。
『どうよ、逃げれた感想…て聞くまでもないか』
ニヤニヤ笑顔で近づいてくる。
アタシは少し後ずさる、なんか怖いこの子。
『ぉやおゃ酷い、せっかく助けてやったのに』
オーバーアクションで、でもニヤニヤ笑顔と笑っていない瞳は変わらない。
『助け…って、さっきの声は貴方なの?えっと…』
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