9人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
目を覚ますと病院。
横には家族と、チェシャ猫がいた。
ヒステリックに攻撃してきた彼女達は、アタシが気絶したのも気づかずに蹴り続けたそうだ。
結果アタシは肋骨や腕の骨を折る大けがをした。
後々、彼女達を襲ったのはチェシャ猫ではないこともわかった。
両親は学校側の対応にカンカンになっていて、アタシの話を聞く状態ではない。
『もっと早く気づけば良かった』
いつもの笑顔もなく、心配そうにアタシを見つめる彼を見て、漸く不安感と安堵感が溢れた。
『もうだめなんじゃないかと思うくらいボロボロだったんだよ』
小さく頭を振り、アイツ等狂ってるよ、と呟いた。
病院へ連絡してくれたのも彼だった。
また助けられた、アタシは彼に助けられっぱなしだ。
『やっぱり下ろしてた方が可愛い』
いつもの笑顔で髪を撫でてくれる。
アタシは学校を辞め、彼と付き合うことになった。
『ずっとボクがアリスを守る』
この言葉だけが、アタシの頼り。
アタシのチェシャ猫さん。
最初のコメントを投稿しよう!