アリスの井戸

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目を覚ますと病院。 横には家族と、チェシャ猫がいた。 ヒステリックに攻撃してきた彼女達は、アタシが気絶したのも気づかずに蹴り続けたそうだ。 結果アタシは肋骨や腕の骨を折る大けがをした。 後々、彼女達を襲ったのはチェシャ猫ではないこともわかった。 両親は学校側の対応にカンカンになっていて、アタシの話を聞く状態ではない。 『もっと早く気づけば良かった』 いつもの笑顔もなく、心配そうにアタシを見つめる彼を見て、漸く不安感と安堵感が溢れた。 『もうだめなんじゃないかと思うくらいボロボロだったんだよ』 小さく頭を振り、アイツ等狂ってるよ、と呟いた。 病院へ連絡してくれたのも彼だった。 また助けられた、アタシは彼に助けられっぱなしだ。 『やっぱり下ろしてた方が可愛い』 いつもの笑顔で髪を撫でてくれる。 アタシは学校を辞め、彼と付き合うことになった。 『ずっとボクがアリスを守る』 この言葉だけが、アタシの頼り。 アタシのチェシャ猫さん。
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