4月

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「君とこんな所で会うなんて 神様はなんて意地悪なんだろうね」 「お前のそういうとこ まぢでムカツク」 2人の間に 火花が散っているようだった。 「君が言ってた人って 満のことかい?」 橘さんが私に聞いたので 「はい」と頷くと 「彼は止めた方がいい。 最後に裏切られて 悲しい目に遭うのがオチだよ」 「ちっ…てめぇ…」 村瀬くんが握り拳をつくる。 今にも橘さんに 飛びかかりそうな勢いだ。 「優子は俺の女だ。 指一本でも触れたら ただじゃおかねぇぞ」 「そうか…付き合ってるのか。 なら尚更だな。 佐々木さんを傷付ける前に 君は居なくなった方がいいね」 橘さんは人指し指で クイッと眼鏡を上げて 「彼女を悲しませたら 僕が許さないよ」 と言って睨み付けた。
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