5月

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「あんたが結花と里美に いじめられていれば 私は安全なのよ!」 安藤さんは私を指差し 涙を浮かべながら言った。 「…どういう意味だよ」 村瀬くんがゆっくり手を離すと 安藤さんはしばらく息を 整えてから口を開いた。 「中学時代… いじめられてたのは 私だから…」 「えっ…!」 「優子は知らないでしょうね。 転校してきてすぐに 標的にされたんだから。 優子が来たおかげで 私は救われたのよ」 安藤さんは俯いた。 「じゃぁなんで いじめる側になんか なってんだよ! なんで優子ちゃんを 助けねーんだよ!」 村瀬くんが怒鳴ると 安藤さんはボロボロと 涙を流した。
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