5月

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村瀬くんは 「何でもねえって!」と言って 足早に保健室を出ようとした。 あからさまに隠されたら 気になってしょうがないじゃん! 私は村瀬くんの腕を 思いっきり掴んで引っ張った。 「うわっ!」 「きゃっ!」 でも力を入れすぎたせいで 私はバランスを崩し 村瀬くんとベッドに倒れ込んだ。 「う…ごめん。 引っ張りすぎ…た」 ふと顔を上げると すぐ目の前に村瀬くんの顔がある。 私に覆い被さるように 村瀬くんは私の顔を見つめていた。 「ごめん…。 優子ちゃんて…大胆なんだね」 彼は私の首筋を 指先で撫でた。 ち…ち…違う違う! なんでそうなるの!
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