5月

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「あれ?佐々木さん?」 透き通るような優しい声。 振り返ると、橘さんが居た。 そして隣には 「あ…皆藤さん」 「ん」 橘さんの隣で 皆藤さんはコクリと頷いた。 「どうしたんだい? まだ学校に居る時間じゃ ないのかい?」 「あ…いや…その」 私が言葉を濁すと 皆藤さんは「お前もな」と 橘さんに向けて言った。 「…龍もだろうが」 「俺は3年だから 学校なんて居ても居なくても 良いんだよ」 「僕も3年なんだけど?」 皆藤さんは「そうだったか」 と言い、私の隣に座った。 橘さんは不満そうに 皆藤さんを睨み付け 私を挟むようにして座った。
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