25人が本棚に入れています
本棚に追加
/262ページ
お弁当を作り、家を出た。
ゆっくり歩いていたつもりが、あっという間に着いてしまった。
靴を履き替え、階段を上がる。
普段と変わらない動作。
すると、いつもの3人が私を待っていたように教室の前に居た。
橋本結花さん、木村里美さん、安藤雨音さんだ。
震えが止まらなかった。
「おはよう~優子ちゃん♪また遊ぼう♪」
長い金髪を掻き分け、キツネのような細い目つきの木村さん。
嫌な笑みを浮かべて言ってきた。
その後ろで静かに立っているのは安藤さんだ。
おかっぱの綺麗な黒髪が、大人しそうな彼女の雰囲気を醸し出している。
安藤さんはいつも、木村さんの後ろで何も言わず、黒く真ん丸な瞳で私を見つめている。
そして木村さんの横に居る人が、橋本さんだ。
彼女は同い年に見えないくらい、いつもバッチリメイクをキメていて、髪を綺麗に巻き、まさにモデルのような人だ。
けれど私は、彼女の事が一番怖い。
橋本さんが、この3人のリーダーだからだ。
最初のコメントを投稿しよう!