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お金を渡さないと酷いことをされるからだ。
「ありがとん♪優子ちゃんっ♪
今日どこ行く?結花」
結花と呼ばれて、橋本さんが木村さんの方を向きお金を受け取った。
彼女は手に取った一万円札を見て、見下すように私を睨み付け
「つか足りねーだろ。お前ふざけてんの?」と言った。
いつも一万円を渡せば、そのまま去っていくのに。今日は違うようだ。
そうか。こうやって金額が増えていくのか。
私が黙っていると
始業のチャイムが鳴った。
「ちっ。明日3万は持って来いよ。クズ」
橋本さんはそう言い残して
立ち去った。
2人が後に続く。
もうお金を持っていなかったから、始業のチャイムに救われた気分になった。
怖かったけど、そのあとは
何事もなく終わった。
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