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放課後。
みんなが授業から解放されたと、安堵の息を漏らした。
大半の人は部活に向かうため、席を立ち教室を出ていく。
私は部に入っていないから、すぐに帰ろうとした。
すると
「掃除は佐々木さんが
やってくれるんだって」
と誰かが言い出した。
声の主は、安藤さんだった。
彼女の声はか細いものだったのに、みんなが私を見つめ、それから「よろしく」「頼むね~」と言って出て行ってしまった。
今日は私、当番じゃない。
私がオロオロしていると
木村さんがホウキを持って、私に手渡しながら
「…………やるよな?掃除」
と言った。
笑顔だった…けど
目が笑ってなかった。
一方で橋本さんは後ろで
クスクス笑っていた。
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