4月

77/108

25人が本棚に入れています
本棚に追加
/262ページ
私が顔を上げると、彼は前を向いたまま一度大きく息を吸った。 「学校のことは…なんとなく分かってる。お前に酷いことする奴らも、傍観してる奴らも…。転校早々に分かった。」 村瀬くんの繋いでいる手が少し強くなる。 「実はさ…お前には関わるなってクラスの奴らに言われてんだよ」 「え…?」 「お前に関わると、あの女どものターゲットになるぞ…って。あぁなるほどなぁって思ったんだ」 あの女ども。 橋本さん達のことだろう。 やっぱりクラスメイトは、私の事をそういう風に見ていたのか。 胸がチクッと痛くなった。 じゃぁ村瀬くんとも仲良くなれないんだなと思っていると、彼は意外な言葉を言った。 「でも俺、そうゆうのさ~嫌いなんだよね。周りが寄ってたかってさ。むかつくんだよ」
/262ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加