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私が顔を上げると、彼は前を向いたまま一度大きく息を吸った。
「学校のことは…なんとなく分かってる。お前に酷いことする奴らも、傍観してる奴らも…。転校早々に分かった。」
村瀬くんの繋いでいる手が少し強くなる。
「実はさ…お前には関わるなってクラスの奴らに言われてんだよ」
「え…?」
「お前に関わると、あの女どものターゲットになるぞ…って。あぁなるほどなぁって思ったんだ」
あの女ども。
橋本さん達のことだろう。
やっぱりクラスメイトは、私の事をそういう風に見ていたのか。
胸がチクッと痛くなった。
じゃぁ村瀬くんとも仲良くなれないんだなと思っていると、彼は意外な言葉を言った。
「でも俺、そうゆうのさ~嫌いなんだよね。周りが寄ってたかってさ。むかつくんだよ」
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