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「俺は…娘と一緒に仕事ができたお前が羨ましいよ。
ウチは健くらいだな。一緒に仕事しても大丈夫そうなのは…
隆や茜とじゃ、威厳保てなくなりそう。
もう、すっかり子供たちに追い越された。」
柴崎先生は早瀬先生を慰めるように、
話を違う方向に切り替えていた。
木崎先生も…笑いながら
「俺…小春とは一緒に仕事したいな。
あいつだったら絶対にいい救命医になると思う。
大祐はできれば遠慮してほしい。」
いつも『父親』って雰囲気の薄い木崎先生が豪語して…
「俺はね…優人と仕事するのが夢。」
遠い未来の話だけど、
長谷部さんに抱っこされてすっかり寝息になっただろう優人が
長い散歩から戻ってきた長谷部さんの腕に抱っこされている。
その優人を愛おしそうに見つめて
20年以上先の話を、すっごく楽しそうにしてくれた早瀬先生は、
過去を生きていると思っていたけど…
美佳子さんとの思い出の中だけだと思ったけど、
ちゃんとこうして、未来も…今も…大切にしながら生きてきた人なんだろうな…
ぼんやりと、目の下を赤くした胡都と、早瀬先生を見て…
この二人って幸せそうだな…と、すごくすごく…感じた。
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