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その声に正気を取り戻し、龍を抱きしめ返す
「そ、だね
前のやつらと一緒、に」
殺すなんて、もったいない
「ぐっ…」
またがっていた男を気絶させて、龍に着ていたパーカーを被せる
「龍…」
「よっ…たぁ!!永久来てくれ、た」
「………怖かったよね、気持ち悪かったよね…ごめん龍」
自分の不甲斐なさに苛立ち顔を歪めると、龍はすぐに笑い
「永久のせいじゃないよ、うちのせい、……だから笑って?」
その笑顔は作り笑顔で、そうさせているのは俺
「わかった、わかった…」
強く抱き締めて笑えば、龍からは見えないはずなのに龍は嬉しそうにして、涙を溢した
「うっ、ふぇっ…ごめん永久っ、えぇぇぇぇぇぇぇ」
カタカタと震えながら泣きだす龍、龍が泣けるのは俺の前だけ
背中を擦るとさらに声を上げて泣く
龍が叫んでくれたから、俺はあんなに早く龍を見つけられた
「龍、好き、大好き。愛してる」
「とっわぁ!!うえぇぇぇぇぇぇぇ」
嫌わないで、龍がそういってる気がして、すごく不安何だってわかった
俺が愛するのも、愛せるのも、龍だけだから
─────愛してる
この言葉は龍にしか、伝えられないんだ龍にしか、伝えたくないんだよ
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