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Aliceを抱きしめて待つこと数時間、店主はしっかりとした足取りで戻ってきた。
『家内が失礼を』
物腰柔らかく謝罪をし、何事もなかったかのようにカウンターにつく。
正気に見えてるが、やはり狂気は抱えているようだ。
ボクもAliceがどうにかなったら、あんなふうに無表情で敵をつぶすのだろう。
それにしても…先程の蔦は初めて見る。
第三段階なのだろうか。
『あんなでもね、いてくれると嬉しいんですよ。』
しみじみ語る店主は幸せそうだった。
Aliceを見る。
Aliceは静かに座っている。
『Alice、君はどう思うかね?』
『どう…って、質問の意味が分からないわ、チェシャ猫さん。』
ボクは困り顔のAliceを見つめ密かに考える。
外は暗くなっていた。
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