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双子はアタシの目の前で踊り始める。
アタシは無気力な声で歌う。
歌い終わったそのときに、アタシの頭もはじけるのかな。
時は無情にも最後の節を運びきて、双子の興奮も最高潮に。
『ぁあ!?うわあああぁ!!』
左の男が頭をおさえる。
右の男は慌てふためく。
なんて滑稽なんだろう。
『ぼ、僕じゃない、僕じゃないいぃ!!』
ぱぁーん
どしゃ
残った片割れは何が起きたのかと目を白黒させる。
『拍子が、ずれたのよ』
ゆらり立ち上がり男に近づく。
今のアタシならこいつくらい簡単に、消せる。
『拍子はずれは首をはねておしまいなさいな』
アタシの影がゆらり動く。
影の中から大きな生物、鷲の頭と羽、ライオンの胴体、『グリフォン』が現れる。
『な、なんで、何でそっちに味方するんだよぅ!!』
男はみっともない姿で逃げまどう。
しかし逃げきることかなわず、グリフォンに首を食いちぎられることになった。
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