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真っ赤な部屋、赤黒い水、頭のない元人間。
アタシの横にはグリフォン。
もう大丈夫、後は此処を出るだけ。
さぁグリフォンさん。
アタシを外へ連れ出して。
ブツン…
『以上、彼女の証言は終わりです』
カセットテープを巻き戻し淡々と語る医師を見て、刑事は頭を抱える。
少女拉致監禁事件の被害者の証言だが、どれも奇妙奇怪、最後には怪物が出てくる始末。
確かに遺体は皆、証言通り頭が弾け飛んだように見える死に方をしていた。
しかし爆発物によるものではないらしい。
そして犯人の一人は何か大きな動物に喰われたようなものだったという。
物理的証拠も揃っているので、生存者の証言も信用できるということになるのだが…。
『で、あの子は今どうしてんだい』
『ああ、今も影に向かって一人で話してますよ』
よほど怖かったんでしょうねぇ、と首を振る。
『会っていきますか?』
刑事は大きく首を横に振った。
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