2人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
―再会―
あれから3年が経ち結希は高2になった。
さすがに3日連続遅刻かぁーやべぇかな。
教室からは担任の斉藤のこえが聞こえている。
ばれねぇよに...
結希は後ろの開いたドアから腰を屈めてそーっと進んでいく。
あとちょっと、あとちょっとでせきに.....
「ずいぶんズルい入り方してるなぁー??」
斉藤が俺に気付いた
「おはよーせんせ!!オレは遅刻したくてしたんじゃないんだぞ。歩いてたら道端におばあさんが困った顔してて、話を聞いてみると「道に迷ってねぇ」っていうから隣町まで連れて行ってあげたんですよ」
とりあえずうそをつこう。
「ほー。おばあさんをねぇ。偉いじゃないか。しょうがない、今日は多めにみてやろうか」
笑顔でいう斉藤
「まぢで!!さんきゅ」
「何て言うかぁー。お前は嘘つくと毎回老人を助けた話をするだろーが、すべてお見通しだ。このあほ。」
クラス全員が笑う。
「ゆきー嘘つくのヘタだねぇー。」
「ちげぇよ。正直なの。」
オレは笑顔ですかさず切り返す。
「結希のそゆとこ好きだなぁ。」
いかにもオレをバカにしたように女子がいう。
「おっと。かわべ、お前がいない間に補習の話をしてたんだ。」
「へぇ。でもオレ今回頑張ったから補習ないんだ。」
「ばぁか、お前は補習組だ。」
笑いながら斉藤はオレにいう。
「なにいってんのさ、オレ頑張ったじゃん。」
結希は満面の笑みで答える。
「そんなに自信があるのかぁー。じゃあクラス全員の前でお前の点数すべて後悔しようか。」
負けじと斉藤が言う。
ふ、だがしかし。今回オレは自信があるのだ!!
「いいだろう。受けて立とう」
この後、オレが斉藤に負けたのは言うまでもなかった.....。
最初のコメントを投稿しよう!