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真理が帰ってから昼までお客様は来なかった。そう、お客様は。僕の目の前には一人の少女がカウンターに座っていた。真理がさっきまで座っていた席だ。今は昼前に来たマスターが作ってくれたオムライスを食べている。真理も小柄だが、この少女は更に一回り小さい。ハーフなのかクォーターなのか西洋人形のような印象を受ける。
「ご馳走様でした」
彼女は両手を合わせて食べ終わった。
「あの、ご馳走様でした。あれれ、マスターさんは?」
食べるのに夢中だったらしい。礼儀作法はしっかりしているが、年相応な所に和んでしまう。
「マスターなら買い出しにでかけたよ。いつもなら僕が行くのだけど。そういえば君が来るのを知っていたみたいだったけど、君はマスターの知り合いなのかい?」
「いえいえ、初顔合わせですよ。あたしは真理ちゃんの紹介でここに来たんです」
「じゃあ、もしかして君がここで働きたいっていう人?」
マスターは年齢も不問と言っていたけど大丈夫なのだろうか。
「そうです、今日からここでビシバシ働く期待の新人!・・・」
急に彼女は止まった。
「どうしたの?」
「Am I アルバイト!?」
ノリツッコミらしきものを僕は頂いた。
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