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マリは話終えると、切腹せんばかりの勢いで謝罪し始めた。
よくよく見れば涙まで流している。
『ホントにごめん!でも、私、私!』
異様な取り乱し方に、お昼時のファーストフード店は一気にシーンと静まり返った。
まだこの話知らない?知らないよね。知らないと言って!
マリは人目も気にせず金切り声に近い叫び声を発する。
この子はいつもこの手の話を簡単に信じる。
何歳まで覚えてると死ぬとか、持ってると事故に遭うとか、見ると霊が来るとか、今時小学生すら脅せないようなものばかり。
そして周りにからかわれたと気付かずによそで話す。
生きた不幸の手紙ね、正直この子のこういうとこがキライ。
『で?今度は誰に吹き込まれてきたの』
半ば呆れた声で訊く、結果は分かっていても。
さらにヒートアップして嘘じゃないだの信じてだの叫びだすのだ。
でも、今日は違った。
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