8人が本棚に入れています
本棚に追加
『えっ…と、昨日、隣のクラスの篠山さん…そっか、いつもの、そうよね、いつものからかいよね』
ぼそぼそと自分に言い聞かせるかのように、先程までの勢いもどこへやら、静かに座って残りのポテトをもそもそ食べ始めた。
『ごめんね、また騙されちゃってるんだよね、ごめんね』
そう言いながらも真っ青の顔だけは変わらず、話はそこで途切れた。
篠山…って。
篠山は、三日程前から家出をしていて、捜索願いも検討しているという話じゃなかったか。
家出のわりには携帯も財布も、上着すら持たずに出ていったらしい。
その不審点から事件の可能性ありと、捜索願いまで話が発展しているのだった。
その篠山に昨日聞いた…?
『ねぇ、そんな怪談話よりも篠山の居場所、親に知らせてやった方が良くない?』
真剣に提案する私に、マリは小さく首を横に振った。
もう、無駄だと…。
最初のコメントを投稿しよう!