《出発》

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『本当にやるのかよ?!』 オレは、暁があれを本当にやるのか半信半疑だった。 今までいつも一緒に居たが、暁がこんなに大胆なやつだとは思わなかった。 『当たり前だろ! 修学旅行のあの場面で、やるのが男だろ。 仁はやらないのか?!』 暁が真剣な眼差しを送ってくる。 『いやいや、オレもやりたいけど、勇気が出なくってさ。』 オレはあれをやるのが、心底恥ずかしい。 もしダメだったら、みんなの前で赤っ恥だ。 『考えてみろよ。 あの状況で言われたら、誰でもトキメくぜ。』 それは、暁だからだろ!って突っ込みたくなったが、抑えた。 暁は、今夜のあれで、亜季に告白するつもりだ。 しかし暁は、どうして亜季を好きになるのかね。 正直、あの性格だと、尻に敷かれるのが目に見えてるのだが。 告白するんなら上手くいって欲しいとは思うけど。 それよりも、オレが真由美に告白か…。 正直、自信がなさすぎて、勇気が出ない。 今夜のあれの話題でヒソヒソと会話をしていると、バスが出発してから、1時間が経過し、残りの距離も半分というところで、俺たちはパーキングエリアで10分の休憩を挟むことになった。
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