《悪夢の始まり》

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『まだゲームまで時間がある。 それまでにメンバーを決めたり、代替案の可能性をみんなで考えよう。 そして明日の朝に、みんなで考えたオーダーを発表しあって、提出しよう! もしも、この1回戦に負けてもさ、捕まるだけなんだから。 反抗さえしなければね。 気楽にとは言わないけど、冷静にやる方がグッと勝率は上がるはずだぜ。 まだ死ぬことはないんだしさ。 次があると思って、持てる力を出そうよ。 暗くならずに、みんなで勝つことだけを考えようぜ。 刀根先生じゃないけど、おれ達の仲の良さは他校には絶対負けないって!』 暗くなっていたクラスの雰囲気が少し明るくなっているのを感じた。 オレは、この最後の言葉で、その場を終わらせる予定だったけど、長山が、なぁと言いながら話を始めた。 『なぁみんな、こんな状況には統率者が必要だと思わないか? 所謂、リーダーってやつをさ。 オレは、仁を推す。 生徒会の二人じゃなくてね。 というか、仁しか考えられないと思っている。 リーダーの存在が俺たちの支えになるのは間違いない。 今のこの状況をみたら、誰が一番リーダーに相応しいのか一目瞭然だとは思うけど、みんなどうだろう?』 長山の問いに反論する者はおらず、静かに拍手の音だけが響き渡った。 長山が手を差し伸べて、何か一言言ってくれと言ってので、本当の最後として、オレは一言みんなに伝えた。 『みんな、オレはリーダーという器ではないと思うが、みんなの支えになれるよう最大限努力する。 だから、みんなもオレに協力して欲しい。必ず勝とう!みんなで帰るんだ。 今日は色々ありすぎたな。。。みんな疲れていると思うし、明日以降に備えてしっかり休んでおこう。ではまた明日な!』 オレの言葉を聞いて、みんなは拍手をし、それぞれの部屋に入っていった。 こうして、俺たちの悪夢のような1日目が終わりを告げた。
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