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なにより、断面になんて興味はなかった。
ボクはその、頭部という人間の最も個性を示す部分がなくなったそれに、それのスカァトから覗く白い脚、すらりと覗く真っ白な素肌に釘付けだった。
スカァトのひだからほんの少しの陰影、その先は肉付きよくみずみずしい、真っ白でいて血管が浮くような不健康さでもない。
内股気味に折り曲げられ、膝小僧の横にできるくぼみ、すねの少し筋張ったように見える山の裏には運動の足りている適度な筋肉のついたふくらはぎがあり、それを少し縛り括れを作るソックスのゴム、綿で覆われた足首はさらに細く見え、くるぶしの小さな出っ張りがその存在を主張したころ……ボクの目にはなんとも無粋な邪魔な存在が目に入った。
つま先に、ほころび、その先に見えるペディキュア。
ほころびはいい。
しかしその奥に見えるはずの白い、うっすら肉色を透けさせるはずの爪が、赤かった。
これは、許せない。
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