なぜそれがあったかなんて知らない。

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「と、奴は言ってるんですがね」  胸部から上だけの状態で発見された女学生、その下半身を自宅に保管していた男性を発見した、のはいいのだが……。  殺した経緯どころか、彼女とは何の繋がりもないときた。  顔写真を見せてもまったく知らない、心当たりもない。  嘘を言っているわけでもないようで、彼女の下半身は起きたらそこに『在った』の一点張りだ。  精神鑑定するまでもなく、さっきの話を聞けばこいつが異常な性癖の持ち主だってことはわかるのだが……。 「どうしました?」 「いや……別に」  もし、もしもだ。  もし自分の部屋に同じく、脚があったら、同じことをしてしまう気がした。  少しでもこの男の考えがわかってしまった自分も、結局は同じ『人間』なんだと、嫌な形で認識してしまった。 -終-
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