プロローグ

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中は真っ暗だ。  「私が先に行くんですか?」  「怖いんですか?」  「・・・はい。」  「・・・じゃあ、私が先に行きます。」  私たちは何事もなく、無事に城外に脱出することができた。  「姫様、ここまで来れば大丈夫でしょう。」  「あっ、ラングノート城が・・・!」  姫様が指さす方向を見る。  そこには月の明かりが照らす暗闇の中で真っ赤に燃える私たちが先ほどまでいた場所、ラングノート城があった。  ラングノート城に残った人たちはどうなっているだろう?アーヴィン将軍をはじめ、姫様のお父様、国王陛下もまだお城に残ったままだろう。私が知る限り、脱出したという確証は無い。ちなみに、姫様のお母様は姫様がまだ幼い頃にご病気で亡くなられたと聞いている。  「リース、私はこれからどうすれば・・・」  私は少し考えた後、姫様の方を向いてこう答えた。
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