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「この地を取り戻すおつもりでしたら、隣国に身を寄せて再起を図るのが良いかと思います。でも、姫様がどのような道を選択しようとも私は姫様と共に参ります。」
私はアーヴィン将軍から姫様を守るように命じられたのだ。今後どのようなことがあっても姫様と共に行動し、身を守るのがこれからの私の使命だ。
「そう、この先は自分で決めなくてはならないのですね・・・。」
「・・・はい。」
「うーん。じゃあ、私、冒険者になります。」
「・・・えーっ!?」
「冒険者はとても自由な身と聞きました。私はもう自分の身分に縛られるのが嫌なのです!だから冒険者になりますっ!」
私はその言葉に耳を疑った。全く予想していない答えが姫様の口から出てきたのだ。大体、この小さくてか弱い体で冒険者など務まるのだろうか?
「ほ、本気でおっしゃってるので!?」
当然の返答だろう。冒険者などそう簡単に務まる物では無い。
「本気ですっ!あ、信じてませんね?リース、その剣を貸してください。」
そう言って姫様は私の持っている剣を鞘から取り出した。私の剣は片手で扱えるくらいの軽めの剣だ。いったい何にこんなところで何に使うのだろう?
姫様は右手で剣を持ち、反対の手で金色の肩まで伸びた髪を首の後ろで束ね、剣を髪に当てると「えい!」と勢いよく切り裂いた。切り取られた髪の毛は風に舞い、月の光で綺
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