27人が本棚に入れています
本棚に追加
麗に輝いている。私はその光景を呆然と眺めていた。
「エリスティーナは今死にました。」
「・・・あのう、姫様、元々髪の毛短いのですから、切っても大して変わっていませんよ。」
・・・当然だ。肩から首の髪を切っただけなのだ。切った髪の長さは大体5センチ程度。実際見た目はそんなに変わっていない。
「うっ・・・じゃあ、丸坊主に・・・」
「そっ、それだけはやめてください!」
私は慌てて姫様を制止する。姫様に渡した剣も取り戻し、自分の鞘の中に納めた。当然だ。丸坊主なんて姫様に似合わないし、何よりも私が嫌だ。
「でもこの格好じゃ目立ちますね。」
遮る暇もなく淡々と話し続ける姫様。
「リース、この私が身につけている髪飾りを売って適当に服を用意してきてください。」
姫様は頭につけていた髪飾りを私に差し出した。ラングノート王家に代々受け継がれている髪飾りを手放すなど、相当の覚悟がなければできない。それだけ姫様は本気なのだろう。
「ラングノート家に代々伝わる髪飾りを手放すなんて・・・それだけ決意が固いということですね。わかりました。私の負けです。」
結局私は折れた。
最初のコメントを投稿しよう!