愛しの吸血鬼

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帰宅時のこと。 電気のついてない真っ暗な家に帰るのは、なんだかさみしいと思います。 明るい部屋で、誰かがまっていてくれること。 それはなんだかとても暖かいのでしょう。 わたしも昔はそんなふうに思っていました。 でも、いまは少し違います。 目の前の我が家。 安値のアパートの二階。 ここに住み始めた当初、わたしは独り暮らしでした。 女の一人暮らし。 物騒な世の中で、それはなかなかに、心細いことで、わたしは安全面などを一応考えて、アパートの二階に居を構えたのでした。
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