プロローグ

3/22
前へ
/80ページ
次へ
目が覚めたらそこは病院で。 俺はあたりを見回して、父さんと母さんを探した。 両隣は知らない人。 違う病棟にいるのかな? 看護婦さんが目の前を通り過ぎようとした。 が、俺が起きていることに気付いてくれたようだ。 「悠介(ゆうすけ)くん、おはよう! 具合はどうかな?」 と話しかけてくる。 「大丈夫だよ」と答えると、 「そっか! 頭は?…痛くないかー。 腕は動く?…うん、動くね 足は?…うん、一通り大丈夫みたいだね。 じゃあ、悠介くんの名字は何かな?」 一通り俺の体の具合を聞いて、脳の状態を調べるのか。 生憎事故の様子もくっきり覚えている。 名字なんか余裕で言えるに決まってるじゃないか。 「神谷(かみや)だよ。事故の様子も覚えてる。 ね、父さんと母さんは?」 途端に顔が曇る看護婦さん。
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加