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第一章
暗がりの室内。
屏風に障子に囲まれ畳の敷き詰められた広い部屋に座り込む複数の影。
それを行燈に灯された明かりがほのかに照らしている。
「ここまで数が減ってしまうとは…」
「我々はこのまま絶滅を待つしかないんやろか…」
「随分と弱気なのですね狸長殿は」
「そういう蛇長さんだって何か策でもあんのかよ?何もねぇ癖にしゃしゃり出んじゃねぇ。」
「ふふ…少々言葉使いが悪いのでは狗長さん?」
「るっせぇよ猫野郎。てめぇが視界に入るだけでこっちは気分悪りぃんだ!」
「見苦しいですよ狗長殿。」
「とっとと終わらせろこんな会合。どんなに話し合ったところで…運命は変わらねぇ…」
「私に…考えがある…」
1人の影がすくっと立ち上がる。
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