第二章

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「もうやめた方がいいと思うよ。 術が解けたのも気づかず俺が水龍に化けてることにすら気付かなかったんだ。 これ以上やるだけ無駄だと思うんだけど。」 「……ッ!!」 陰陽師は悔しそうな顔で少し黙り込むと、こちらを睨みつけた。 九里と瑠璃が私の前に一歩足を踏み出すと、 観念したように残っていた赤い龍の術を解いた。 「今回は見逃してやる。でもこれで勝ったと思うなよ。 お前らは俺が必ず倒す。」 よく漫画とかで聞きそうな台詞を吐くと、それは身体を翻し私達とは逆方向に歩き出す。 「何で倒されなきゃいけないのか全く分からないんだけどさ… 俺達は人間に何かしたかな?」 瑠璃さんがその背中に少しからかうように言うと、それは動きを止めて、しかしこちらへは振り返らずに告げた。 「…それが俺が生きている理由だからだ。」 去っていく後姿は何処か寂しげだった。 私の腕の中で赤ん坊はすっかり眠りについていた。
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