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「瑠璃ってモテるでしょ」
「お前あんなのが趣味なのかよ」
「だってかっこいいし可愛いし優しいし…最後のは効いたけど…」
拾い終わった資料の束をきちんと揃え、再び机に置いた。
今度はペン立てという重石を乗せて。
「見かけだけで中身はドス黒いぜ?」
「でもいつもムスッとしてる九里よりは素敵だと思うけど」
言ってやると九里はフンとそっぽを向いた。
拗ねてるのかな。
九里もこういうところは可愛いかもしれない。
「…赤子を預かって貰う上で少し条件がある。」
そっぽを向いていた九里が渋々こちらに向き直る。
その仕草からもそれが重要な話だというのは確かだろう。
「一つは途中で放棄しない。途中でもし放棄したり妖怪の怒りに触れた場合は罰により地獄へ強制送還される。」
「地獄?!」
「閻魔大王にでも挨拶してこいって事だ」
閻魔大王とか…
想像つかないんですけど…
「てゆーかそんな重要なことあるんなら先に言ってよ無茶苦茶すぎる!」
「放棄する気満々なんだな」
「いや違くてそれは…!」
「それともうひとつ」
私の悲痛な叫びをかき消し九里は落ち着いた調子で話す。
「妖怪に恋愛感情を抱いてはいけない。」
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